「暮らしを支えるウレタン断熱材」 現場の声に向き合い続けた挑戦の軌跡
HFOガスを採用した細かな独立気泡構造により熱伝導率0.019W/(m・K)を実現したFPコーポレーションのウレタン断熱材。
現場の声、住む人の声に向き合い続けてきた技術の結晶は、FPウレタン断熱パネル以外の製品にも生かされ、新築住宅以外の断熱リフォームや非住宅の分野でも多くご採用をいただいています。
今回はそんなFPコーポレーションの挑戦の軌跡のお話です。
目次
01. 断熱材開発の出発点
1970年代後半、戦後続いた高度経済成長がオイルショックにより一変し、「大量生産・大量消費」という時代から、「省エネ・効率化」を強く意識するような時代に変わっていきました。
人々の生活も「豊かになるため」ではなく「豊かになった生活を楽しむ」というように変化していきます。まだバブル経済が始まる前の静かな時代だったと言えるでしょうか。そんな時代で、住宅に対しても「省エネルギー」と「快適性」の両方が求められるようになってきました。そこで普及し始めたのがグラスウール断熱です。
グラスウールは比較的安価で大量生産しやすく、当時戸建てではまだ主流だった木造住宅で扱いやすいこともあり、広く普及しました。
しかし、現場の施工精度によって性能にばらつきがあり、特に「壁内結露」が起こることが課題でした。
グラスウールだけでは「省エネルギー」と「快適性」、そして何より「永く快適に暮らせる家」は十分に実現できないという状況を打破すべく、FPコーポレーションが着目したのが「発泡ウレタン断熱材」という可能性でした。

02. 理想の断熱材
発泡ウレタンフォームは、セル内に閉じ込めた空気が熱伝導を抑える構造で、当時のグラスウールに比べて熱伝導率は約半分と、断熱性に優れていました。
ただ、戸建て住宅で使われることはまだ少なく、情報が足りていないというのが現実でした。
そこで当社ではまず、自社で原料を仕入れパネル化するにあたり試作を重ねながら、以下のポイントを検証しました。
・パネル内に隙間なく充填・気泡サイズの均一化
・防水性・防湿性の確保
・木部への高い接着性
・長期的な寸法安定性
これらの検証を通じ、「均一な発泡」「成形後の熱欠損防止」が最初の大きなハードルであることが浮き彫りになります。
03. 工場一貫生産による品質の確立
「均一な発泡」「成形後の熱欠損防止」という課題をクリアするためには、現場施工だけに依存させているというポイントを変える必要があるのではないか。
その疑問から「断熱施工そのものを工場で行って品質を安定させる」という発想に至りました。
そして1985年、ウレタン原液の注入から発泡・硬化までを一貫管理する専用ラインを完成させます。
・熱伝導率0.023W/(m·K)を実現
・発泡圧力・温度を制御し、セルサイズを均一化
・成形後のひび割れ防止のため硬化プロセスを最適化
という工場内での高精度生産により「FPウレタン断熱パネル」が誕生したのです。
「FPウレタン断熱パネル」によって、現場施工時の「寸法ズレ」「断熱材の施工不良」「気密不良」を大幅に低減。工務店様の施工効率と仕上がり品質を飛躍的に向上させました。

04. 次世代発泡剤で世界最高水準へ
さらに2023年には、それまでのCO2 を元とする水発泡処方から高性能発泡ガスHFOを導入。これによりすべての製品において世界最高水準の断熱性能0.019W/(m・K)を実現しました。
HFOガスを採用したウレタン断熱材では、細かく均一な独立気泡の中に発泡ガスを保持できます。
発泡ガスが空気と置き換わることによる性能低下を抑え、長期にわたり安定した断熱性能を保ちます。
また、オゾン層破壊係数はゼロ、地球温暖化係数も限りなくゼロに近い環境配慮型のノンフロン発泡剤です。
まさに「永く、快適に、そして健康に暮らせる家」という企業理念を実現する新しい当社の基準となりました。
05. 挑戦のマイルストーン
ウレタン断熱パネルの開発は、ただ1つの商品を作ったということではなく、当社が掲げる「永く、快適に、そして健康に暮らせる家」という理念を実現していくための1歩でした。
だからこそ当社では、技術革新と環境配慮を両立しながら進化を続ける取り組みをしてきました。
■1999年
オゾン層破壊係数ゼロの「水発泡技術」採用
■2016年
業界初の断熱材の強度が認められ、筋交いなし断熱材「FPウレタン断熱パネル」で 2.1 倍の壁倍率大臣認定を取得
■2020年
ジャパン・レジリエンス・アワード『優秀賞』、グッドデザイン賞受賞
■2022年
キッズデザイン賞受賞(https://fp-ie.jp/awards)
■2023年
次世代HFO発泡剤(低温暖化係数)を導入

06. 現場とともに進化してきた製品
これらの歩みは、断熱性能だけでなく、様々なことに挑戦し続けてきた証です。
そしてその「理想の断熱材」をめざした50年の挑戦は、常に現場の職人の声と、実際に住む人たちの声と共にありました。
以下の製品は、その証の一部です。
■床ラクティー
床断熱の施工時の現場の声を聞き、何度も調整を重ねた床充填用断熱ボード。突起やフィンを使った施工のしやすい作りと、断熱仕様に合わせやすい種類、断熱効果を長く維持できる信頼性の高い製品です。

■ラクティーGp
桁の上面に敷き並べて使う、天井断熱ボード。作業工程を大幅に簡略化可能なだけでなく、将来的なメンテナンス作業も行いやすい設計で、住まいの性能維持まで見据えた製品です。

■ヘビーウォール
断熱材・耐力面材・間柱を一体化し、物件ごとの間取りや壁仕様に合わせて製作できるフルオーダー対応の壁用断熱パネル。高い断熱性能と耐震性能を確保しながら、工期短縮や施工効率の向上を支えます。

■リプラスボード
構造躯体を解体せずに、室内側から張り重ねて施工する断熱改修用のボード。新築でのノウハウを生かした、様々な条件のリフォームでも活用できる製品です。

これらの製品はまさに、現場の声に答え続け、時代と共に変わる住む人たちのニーズに寄り添った結果、生まれたものたちです。
これからも、たくさんの声と共に、未来の命を守る家を造るため、挑戦を続けて参ります。